Artadi その2


Artadiとはバスク語でencinaの森があるところというそう。ドングリがなるかしの木、オークですね。

キレイに並べられた2019年に収穫したもの。

これで新しい試みをするそうな。

普通のキャップではなくこの赤いキャップをしたワインはワイナリーで何年か寝かせてる証の印だそう。このキャップのものを市場に出回るのはいつだろうか。楽しみだ。

ワイナリーを見させていただきコメドールに。Artadiはワインの生産者でもありながらディストリビューターでもあります。フランスの素晴らしい生産者のワインが沢山ありました。

上からトルティージャデパタタ、ピキージョピーマンアサード、チョリソー、パタタアラリオハーナ。写真にはないがプレサイベリカもあった。このシンプルな料理から想像できるだろうか?トルティージャはじゃがいもと卵と塩のみ。じゃがいもが甘く卵も絶妙な火入れでねっとり旨さが口の中に広がる。想像を絶するくらい美味いのだ。特にこのピキージョピーマン、これを5人で3皿も食べた。このねっとりとしたテクスチャーで優しい甘さ。日本に帰って再現を試みたが出来ない。酸味が出てしまう。ピキージョピーマンの質の違いだろうか。ちなみにこのピキージョはこの食事でお供をしたsantacruzdeartazu blancoの畑の近くで取れたピキージョで仲の良いおばさんに焼き剥いてもらったものを買ってるそう。これを4時間かけてゆっくりコンフィしたもの。

このただのチョリソーの様に一見見えるがこれまた素晴らしい。毎年4頭屠殺して自分らで食べるものを作るそう。使う肉は雌ブタに限る。どうして雌ブタと書くと汚らしい言葉になってしまうのであろうか?スペイン語でもCerda!!とか罵る言葉である。雄豚。。。雌豚。ブタの部分を豚にすると柔らかく聞こえますね。スペインにいる時よくGuarro!!と罵られてました。汚いですね。しかし雄豚さんは産まれてすぐ去勢されてしまうのでどうなのだろうか。雄豚では臭くなるそう。やはり漢は臭い生き物なんです。私自身は無臭派の部類だと思ってますが。話が脱線してしまった。やはり牛もそうだが豚も雌が美味いんだと言うのを知った。多分普通は雄雌仕分けせずに屠殺され加工される。雌だけのチョリソーを食べられるなんて限られた場所でしか食べれないであろう。

じゃがいもとチョリソーのリオハ風煮込みじゃがいも、にんにく、チョリソー、ローリエだけ。これだけで美味くなるのがスペイン料理の真骨頂。

写真はないがプレサイベリカ。間違いのない美味さ。またここでピキージョのアサードが活躍。お肉にピキージョを乗せても美味い。オーナーのファンカルロスが言うにはピキージョはソース見たいなものだと。トルティージャに乗せても美味い。何しても美味いのだ。料理はシンプルな良い素材と調理法。ワインは良い葡萄とシンプルな醸造方法。厳密にはセンシティブな仕事があるのかもしれないが。似てると思うんですよね。美味しいものを造る方程式。

La pozaも美味い。しっかり凝縮しており緻密で繊細。しっかり太陽を浴びても標高600mの夕方には日陰になり寒暖差のある地形。そして適切なタイミングでの収穫と醸造。クリーンで甘い優しいタンニンが印象。

最初にリオハと言ったがArtadiのワインはアラバのワインである。畑は全てアラバにある。もはやリオハではない。別次元のワインになりつつある。ファンカルロス氏が言っていた。気候変動が激しい昨今でDOCaリオハの様な大きな組織にいてはこの激しい変動には即時に対応できないと。近い将来Artadiの様な生産者が出てくるのが想像できてしまう。私は私。ArtadiはArtadiでしかない。

話に夢中になりいつの間にか良い時間。またの再会を約束し、夕方のバルセロナ行きのフライトに間にあわせるためにビルバオへ。

また行きます。次はバルセロナ。